ボウリング場運営会社スマイルフィールド.の事例から考える、地震被害・施設修繕問題・ボウリング用品販売・事業再建の課題

ボウリングステージスマイルフィールド

ボウリング場運営会社の破産に見る、災害による営業基盤喪失と専門店経営の難しさ

― スマイルフィールド.の事例から考える、地震被害・施設修繕問題・ボウリング用品販売・事業再建の課題 ―

「栃木」 (株)スマイルフィールド.(資本金500万円、大田原市美原1-6-18、代表岡部直治氏)は、10月9日に仙台地裁より破産手続き開始決定を受けた。

破産管財人には、佐藤篤弁護士(東一番丁法律事務所、仙台市青葉区一番町1-6-22、電話022-225-0996)が選任されている。財産状況報告集会期日は2027年1月29日午後2時10分。

当社は、2009年(平成21年)10月に設立されたボウリング用品の小売業者。代表はプロボウラーとして知られ、神奈川県厚木市で「ボウリングステージスマイルフィールド.」の名称でボウリング場を運営していた。2021年10月に発生した地震の影響で施設が被災し休業。その後、建物修繕などを巡るビルオーナーとの協議が難航し、2022年に閉業していたが、この間、大田原市にあるボウリング場内に「プロショップスマイルフィールド.」を開設し、ボウリング用品の販売を手がけていた。

しかし、販売は伸び悩み、2023年12月をもって同ボウリング場から撤退。2024年4月30日に事業を停止していた。

負債は申請時点で債権者約9名に対し約5900万円。

帝国DBより

1. 経営悪化の背景

1-1. プロボウラーが手がけたボウリング関連事業

スマイルフィールド.は、2009年10月に設立されたボウリング関連事業者とされています。

代表者はプロボウラーとして知られ、神奈川県厚木市で「ボウリングステージスマイルフィールド.」の名称によりボウリング場を運営していました。

その後、栃木県大田原市のボウリング場内で「プロショップスマイルフィールド.」を開設し、ボウリング用品の販売も手がけていたとされています。

ボウリング関連事業では、競技に関する専門知識や経験、愛好家との関係が強みになります。

特にプロボウラーとしての経験は、競技者向けの用品選定、技術的な助言、イベント企画などに活用できる可能性があります。

一方で、ボウリング場の運営とボウリング用品の小売業では、収益構造が大きく異なります。

ボウリング場は施設利用料や付帯サービスによって収入を得る事業ですが、用品販売は商品仕入、在庫、販売数量、粗利益率によって採算が決まります。

代表者の専門性が高くても、施設維持や商品販売に必要な資金を確保できなければ、事業の継続は難しくなります。

1-2. 2021年の地震による施設被害

同社が運営していた神奈川県厚木市のボウリング場は、2021年10月に発生した地震の影響で施設が被災し、休業を余儀なくされたとされています。

ボウリング場は、一般的な小売店舗とは異なり、専用のレーン設備、ピンセッター、スコア管理システム、空調設備などを必要とする施設型事業です。

こうした設備が災害によって損傷した場合、通常の店舗よりも復旧に専門的な調査や修繕が必要になることがあります。

また、建物自体の安全性や設備の使用可否が確認できなければ、営業を再開することは難しくなります。

ボウリング場では、施設が営業できない間、利用料収入を得ることができません。

一方で、休業中も契約条件によっては賃料、設備関連費用、借入返済などが残る可能性があります。

同社にとって、地震による施設被害は、本業の収益基盤を失う重大な転機だったと考えられます。

1-3. ビルオーナーとの修繕協議の難航

同社は、建物修繕などを巡るビルオーナーとの協議が難航し、2022年にボウリング場を閉業したとされています。

賃借物件で営業する施設型事業では、建物と事業設備の修繕責任を区別する必要があります。

建物躯体や共用設備、専用設備などについて、どこまでがビルオーナーの責任で、どこからがテナント側の負担になるかは、契約条件や被害状況によって異なります。

特にボウリング場のような特殊な設備を持つ施設では、建物の修繕と営業設備の復旧が密接に関係します。

修繕の範囲、費用負担、工期、賃料の扱いなどが確定しなければ、事業者は再開計画を立てにくくなります。

ただし、今回の資料からは、修繕協議が難航した具体的な原因や責任の所在までは確認できません。

経営面では、営業再開までの見通しが立たない状態が続いたこと自体が、資金繰りや事業再建に大きく影響した可能性があります。

1-4. ボウリング場閉業による収益源の喪失

同社は、2022年に神奈川県厚木市のボウリング場を閉業していたとされています。

施設型事業では、休業や閉業によって、来場者からの利用料収入だけでなく、関連用品の販売やイベント、レッスンなどの収益機会も失われる可能性があります。

また、施設には固定客や競技愛好家が集まるため、閉業すると顧客との日常的な接点も減少します。

ボウリング場を運営していれば、施設利用者に対して用品を販売することができます。

しかし、施設を失った場合、用品販売の顧客獲得を別の場所で行う必要があります。

同社の場合、ボウリング場の閉業によって、施設収入だけでなく、用品販売につながる顧客接点も弱まった可能性があります。

1-5. 大田原市でのプロショップ展開

同社は、厚木市のボウリング場を閉業する前後に、大田原市内のボウリング場で「プロショップスマイルフィールド.」を開設し、用品販売を手がけていたとされています。

既存のボウリング施設内に専門店を設けることは、競技者や愛好家へ直接商品を提案できる点で合理的な方法です。

ボウリングボール、シューズ、バッグ、アクセサリーなどは、一般的なスポーツ用品店では品揃えが限られることもあり、専門店の価値が発揮される分野です。

また、ボウリング用品は、利用者の技術や目的に合わせた専門的な提案が重要になります。

代表者のプロボウラーとしての経験は、こうした専門店運営に活かせた可能性があります。

しかし、ボウリング場内に出店していても、施設利用者全員が用品を購入するわけではありません。

競技人口、来場頻度、購買単価、既存用品の買い替え周期などによって、販売規模には限界があります。

1-6. 用品販売の伸び悩みと店舗撤退

同社は、大田原市のプロショップで用品販売が伸び悩み、2023年12月に同ボウリング場から撤退したとされています。

ボウリング用品は、一般消費者が頻繁に購入する日用品ではありません。

競技者にとって必要な商品ではありますが、購入頻度や市場規模には一定の制約があります。

また、ボウリングボールやシューズなどは、商品によってサイズ、重量、仕様などが異なり、在庫管理も重要になります。

店舗販売では、仕入資金が商品在庫に固定される一方、売れなければ現金化できません。

大田原市での用品販売が十分に伸びなかったことにより、ボウリング場閉業後の収益基盤を再構築できなかった可能性があります。

1-7. 事業停止と負債約5900万円

同社は、2023年12月にプロショップから撤退し、2024年4月30日に事業を停止していたとされています。

その後、2026年10月9日に仙台地裁より破産手続き開始決定を受けました。

負債は申請時点で債権者約9名に対して約5900万円とされています。

売上高や負債の内訳については明らかにされていません。

そのため、ボウリング場運営時の設備投資、施設維持費、用品仕入、借入金などが、負債総額にどの程度影響したかは判断できません。

ただし、ボウリング場を閉業し、その後の用品販売も伸び悩んだ状況では、通常営業から返済原資を確保することは難しくなっていたと考えられます。

2. 経営上の問題点

2-1. 災害による単一施設への依存リスク

同社は、地震によって厚木市のボウリング場が被災し、休業したとされています。

施設型事業では、特定の建物や設備に収入源が集中している場合、災害による被害が事業全体に直結します。

小売業であれば別店舗やオンライン販売で事業を継続できる場合がありますが、ボウリング場では専用設備が必要です。

施設が使えなくなると、別の場所で直ちに同じ事業を再開することは容易ではありません。

こうした事業では、災害時の休業リスク、復旧費用、代替施設の確保、保険の適用範囲を事前に検討することが重要になります。

2-2. 賃貸施設の修繕責任と事業継続判断

同社は、建物修繕を巡るビルオーナーとの協議が難航していたとされています。

賃借施設で事業を行う場合、建物の損傷が発生した際に、修繕範囲や費用負担を巡る協議が必要になることがあります。

修繕内容が確定しなければ、営業再開までの期間や必要資金を見積もることが難しくなります。

また、復旧のための追加支出が必要になる場合、資金調達にも影響します。

銀行から見ると、いつ営業を再開できるのか、復旧後にどれだけの売上が見込めるのかが明確でなければ、追加融資の判断は難しくなります。

今回の事例は、賃貸施設の修繕問題が事業再建の見通しを大きく左右することを示していると思われます。

2-3. ボウリング場運営から用品販売への転換

同社は、ボウリング場の閉業後、大田原市で用品販売を手がけていたとされています。

ボウリング場運営と用品販売は、同じ業界内の事業ですが、収益構造は異なります。

ボウリング場では、来場者数、利用料金、稼働レーン数、イベント、施設固定費が重要になります。

一方、用品販売では、商品仕入、販売数量、粗利益率、在庫回転率、客単価が重要です。

施設運営で培った専門性を用品販売に活かすことはできますが、同じ規模の収益を確保できるとは限りません。

同社の場合、用品販売だけで事業を再構築するには、十分な顧客数と販売利益が得られなかった可能性があります。

2-4. 専門市場の顧客数と購買頻度

ボウリング用品は、競技者や愛好家を中心とした専門性の高い市場です。

専門店は顧客単価を高められる可能性がありますが、購入頻度が限られる商品も多くあります。

例えば、ボウリングボールやシューズは、一般的な消耗品のように毎月購入されるわけではありません。

継続的な売上を確保するには、新規顧客の獲得に加え、買い替え需要、メンテナンス、技術指導などの周辺サービスが重要になります。

ボウリング場内に店舗があっても、来場者数と購買客数が一致するわけではありません。

専門市場で事業を維持するには、立地だけでなく、顧客の購買頻度まで考えた売上計画が必要だったと思われます。

2-5. 用品在庫が資金繰りに与える影響

ボウリング用品販売では、商品ごとに重量、サイズ、用途、メーカーなどが異なります。

商品を幅広く揃えるほど、顧客の選択肢は増えますが、仕入資金も必要になります。

売れ残りが発生すれば、資金が在庫に固定されます。

特に販売数量が少ない場合、在庫回転率は低下しやすくなります。

今回の資料では具体的な在庫状況は明らかになっていませんが、専門用品の小売業では、受注販売や予約販売によって在庫負担を抑える方法が重要です。

2-6. 事業停止後に残る債務負担

同社の負債は約5900万円とされています。

2024年4月に事業を停止していたため、その後は通常営業からの収益を得られない状況だったと考えられます。

銀行や経営コンサルの視点では、事業を停止した段階で、返済原資をどこから確保するかが重要になります。

保有資産の売却、在庫処分、債権回収などによって現金化できる資産があれば、債務整理に充当できる可能性があります。

しかし、営業再開の見通しがなく、資産売却だけでは負債を整理できない場合、法的整理を検討せざるを得なくなります。

同社の場合、施設運営と用品販売の双方から収益を確保できなくなり、債務返済が難しい状況に至った可能性があります。

3. 経営視点からの考察

今回の事例は、専門性の高い経営者が運営する事業であっても、災害によって主力施設を失い、代替事業の収益化が進まなければ、経営再建が難しくなることを示していると考えます。

スマイルフィールド.は、プロボウラーとして知られる代表者が、厚木市でボウリング場を運営していた会社とされています。

ボウリング場は、地域の愛好家や競技者にとって、競技や交流の拠点となる施設です。

しかし、2021年10月の地震により施設が被災し、休業を余儀なくされました。

その後、建物修繕などを巡るビルオーナーとの協議が難航し、2022年に閉業したとされています。

経営面で重要なのは、災害によって施設の営業収入を失ったことに加え、再開時期が見通せない状況になった点です。

施設型事業では、専用設備を使用できなくなると、事業の代替が容易ではありません。

また、建物所有者との協議が必要な場合、経営者だけの判断で修繕や営業再開を進められないことがあります。

同社はその後、大田原市のボウリング場内で用品販売を手がけましたが、販売は伸び悩み、2023年12月に撤退していました。

ここには、施設型サービス業から専門用品小売業へ移行する難しさが表れています。

ボウリング場には施設利用による継続的な収入機会がありますが、用品販売では顧客が商品を購入したときに売上が発生します。

専門的な知識や競技実績があっても、購入頻度の低い市場では売上を安定させることは簡単ではありません。

銀行や経営コンサルの視点では、災害後の再建において、失われた売上規模を別事業でどこまで補えるのか、そして残存債務の返済原資を作れるのかを慎重に検証する必要があります。

同社の場合、代替事業となる用品販売が十分な収益を生まず、事業継続を断念せざるを得なかった可能性があります。

今回の事例は、専門性や知名度があることと、災害後に事業を再建できることは別であり、固定費、施設リスク、代替収益源、返済原資を一体で考える必要があることを示しているのではないでしょうか。

4. こうすれば良かった可能性がある経営施策

4-1. 施設型事業の災害対策を事前に整備する

同社は、地震によってボウリング場が被災し、休業を余儀なくされたとされています。

施設型事業では、設備や建物が使用できなくなった際の事業継続計画が重要です。

特にボウリング場のように専用設備を必要とする事業では、代替施設を短期間で確保することは難しくなります。

  • 地震・火災などの災害リスク評価
  • 建物と設備の保険適用範囲の確認
  • 休業損害への補償の検討
  • 設備修繕業者との緊急連絡体制
  • 代替施設の候補確保
  • 休業時の資金繰り計画
  • 営業再開・撤退の判断基準

災害そのものを防ぐことは難しくても、休業が長期化した場合の資金負担を軽減する準備は必要だったと考えられます。

4-2. 賃貸借契約で修繕責任を明確にする

建物修繕などを巡るビルオーナーとの協議が難航したとされています。

賃貸施設で特殊設備を使用する事業では、建物と営業設備の修繕責任を事前に確認することが重要です。

  • 建物躯体の修繕責任
  • 専用設備の修繕責任
  • 災害時の費用負担
  • 長期休業時の賃料の扱い
  • 原状回復の範囲
  • 営業不能時の契約解除条件
  • 修繕期間中の連絡・協議手順

ただし、同社の実際の契約内容や協議の経緯は明らかになっていません。

一般論として、施設型事業では、営業できない状態になったときに誰が何を負担するかを明確にしておくことが、経営リスクの軽減につながります。

4-3. 施設を失った後の収益構造を再設計する

同社は、ボウリング場閉業後、ボウリング用品販売を手がけていたとされています。

施設型事業から小売業へ移行する場合、売上構造が大きく変わります。

そのため、施設収入を前提とした事業計画をそのまま使うのではなく、用品販売に必要な顧客数や粗利益を再計算する必要があります。

  • 月間購入客数
  • 平均客単価
  • 商品別粗利益率
  • 在庫回転率
  • 店舗賃料
  • 必要運転資金
  • 借入返済可能額

専門性が高い商品であっても、購入頻度が低ければ十分な売上は得られません。

用品販売への転換時点で、従来事業の代替となる収益規模を現実的に見積もる必要があったと思われます。

4-4. プロボウラーとしての専門性をサービス収入へ転換する

同社の代表者は、プロボウラーとして知られていたとされています。

この専門性は、用品販売だけでなく、技術指導や競技者支援にも活用できる可能性があります。

  • 個人レッスン
  • グループレッスン
  • オンライン技術指導
  • ボウリング用品の選定相談
  • ボールのメンテナンスサービス
  • 競技イベントの企画
  • 法人向けボウリング講習

用品販売だけでは購入頻度に限界がありますが、指導や相談サービスを組み合わせれば、継続的な顧客接点を作ることができます。

店舗の売上を補うために、専門知識をサービス収入へ転換する余地があったのではないでしょうか。

4-5. 専門用品の在庫を抑えた販売体制へ転換する

ボウリング用品は、商品ごとに重量、サイズ、仕様などが異なります。

品揃えを増やすほど、仕入資金が必要になります。

小規模な専門店では、販売数量に対して過大な在庫を抱えないことが重要です。

  • 売れ筋商品の重点在庫
  • 高額商品の予約販売
  • メーカー取り寄せ
  • 受注後仕入
  • 長期滞留在庫の処分
  • 在庫回転率の定期確認
  • オンライン販売との連携

店頭在庫を多く持つよりも、専門的な提案力を活かして必要な商品を取り寄せる仕組みが有効だった可能性があります。

4-6. ボウリング場との連携を広域化する

同社は、大田原市のボウリング場内にプロショップを開設していました。

既存施設内への出店は、来場者への販売機会を得られる一方、その施設の利用者数に売上が左右されます。

一つの施設だけに依存せず、複数のボウリング場や競技団体と連携する方法も考えられます。

  • 複数施設での出張販売
  • 競技大会での商品販売
  • ボウリング場向け用品供給
  • 大会参加者への予約販売
  • 地域競技団体との連携
  • オンラインショップによる全国販売

固定店舗を増やすのではなく、必要な場所へ出向いて販売する方法であれば、賃料負担を抑えながら顧客接点を広げられた可能性があります。

4-7. 災害後の再建計画と債務整理を同時に進める

同社の負債は約5900万円とされています。

災害によって主力施設を失った場合、従来の売上を前提とした借入返済計画を維持することは難しくなります。

銀行や経営コンサルの視点では、施設再開の可能性とともに、残存事業から返済原資を作れるかを確認する必要があります。

  • 災害による損失額の把握
  • 保険金の適用可能性
  • 施設復旧費用の試算
  • 営業再開までの資金需要
  • 代替事業の収益見込み
  • 借入返済条件の見直し
  • 月次資金繰り表の作成

再開の見通しが立たない状態で借入を増やすと、将来の返済負担が重くなります。

営業再開、事業縮小、撤退の判断を早期に行い、債務整理と一体で再建計画を検討する必要があったのではないでしょうか。

4-8. 早期の事業譲渡や顧客基盤の承継を検討する

同社は、ボウリング場運営と専門用品販売を手がけていたとされています。

会社全体として事業継続が難しくても、競技者との関係、専門知識、用品販売ノウハウ、取引先との関係には価値が残っていた可能性があります。

資金繰りが限界に近づく前に、同業ボウリング場、スポーツ用品販売会社、競技指導事業者などとの提携や事業譲渡を検討する余地があったと思われます。

特に専門性の高い事業では、顧客との信頼関係や技術的なノウハウが重要です。

施設を残すことが難しい場合でも、用品販売や指導サービス、顧客との関係を別事業者へ引き継ぐ方法が考えられます。

5. 同業・中小企業への示唆

ボウリング場のような施設型事業では、災害や設備故障によって施設が使えなくなると、営業収入が大きく減少します。

特に専用設備を必要とする事業では、簡単に別の施設へ移転することができません。

そのため、建物と設備の保険、修繕責任、休業時の資金繰り、代替施設の確保、撤退判断基準などを事前に整備することが重要です。

また、災害によって主力事業を失った場合、関連する別事業へ転換しても、以前と同じ売上や利益を確保できるとは限りません。

専門用品販売では、市場規模、購入頻度、在庫回転率、客単価、粗利益率を慎重に確認する必要があります。

特に競技人口が限られる分野では、単なる物販だけでなく、指導、相談、メンテナンス、イベントなどのサービスを組み合わせることで、継続的な収益源を作る方法が考えられます。

銀行や経営コンサルの視点では、災害後の再建において、事業再開への期待だけでなく、実際にどれだけ返済原資を確保できるかを判断する必要があります。

専門性が高く、顧客との関係が強い事業であっても、施設リスクと資金繰りを管理できなければ、事業継続は難しくなるのではないでしょうか。

6. 今回の教訓

災害で主力施設を失った場合、代替事業の収益力と債務整理を早期に見極める必要がある

今回の教訓は、施設型事業では災害によって主力施設を失うと、専門性や顧客基盤があっても、事業再建が難しくなるという点にあります。

スマイルフィールド.は、プロボウラーとして知られる代表者が、神奈川県厚木市でボウリング場を運営していたとされています。

しかし、2021年10月の地震によって施設が被災し、休業を余儀なくされました。

その後、建物修繕などを巡るビルオーナーとの協議が難航し、2022年に閉業したとの情報があります。

同社は、大田原市のボウリング場内で専門用品販売を開始しましたが、販売は伸び悩み、2023年12月には撤退していました。

2024年4月30日に事業を停止し、2026年10月9日に破産手続き開始決定を受けています。

負債は申請時点で債権者約9名に対して約5900万円とされています。

銀行や経営コンサルの視点では、施設の営業再開が難しくなった段階で、残る事業からどれだけ現金を生み、既存債務を返済できるかを冷静に判断する必要があります。

同社にとっては、ボウリング場の復旧可能性と修繕負担を早期に整理し、用品販売への転換時には現実的な市場規模と採算を検証するとともに、必要に応じて債務整理や事業承継を検討することが重要だったのではないでしょうか。

一言でまとめるなら、専門性や知名度がある経営者であっても、災害によって収益を生む施設を失い、代替事業から十分な返済原資を確保できなければ、事業の継続は難しくなってしまうと思われます。

再びスマイルフィールド.が復活をここに祈ります。

投稿者 kato

加藤電業社代表 趣味はお酒と旅

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